子供は大人と比べてセルフコントロールが苦手なので、勉強になかなか集中できないという子も多いはずです。
さらに現代ではスマホやゲームなどの誘惑も強いため、欲望に負けてしまうケースもあります。
大人でもセルフマネージメントは難しいのですから、子供がなんのルールもなくセルフコントロールするのはかなり無謀であると言えます。
実際に様々な「勉強ルール」を試しているご家庭もあるはずです。
この記事では、そんな「勉強のルール」の中でも「親も子も納得できるルール」について解説していきたいと思います。
ポモドーロ・テクニックをルール化させる
よく「子供の集中力は大人よりも短い」と言われたりしますよね。
一昔前は、「45分くらいなら集中できる(ちょうど小学校の1時間授業の長さ)」と考えられていましたが、現在は幼児であれば10分弱、小学生や中学生でも15分程度だと言われています。
最近では「年齢+1分程度」という基準で考えることも増えてきています。
そこでおすすめなのが、「ポモドーロ・テクニック」です。
ポモドーロ・テクニックとは、「短時間の勉強→5分休憩」を基本として、「2時間おきに30分の休憩を入れる」というものです。
高校生くらいの子供であれば、「25分勉強→5分休憩」「2時間おきに30分休憩」というルールを作ることで、勉強効率を上げることができます。
幼児や小学生の場合は「10分勉強→5分休憩」といったように1回の勉強時間を短く設定します。(中学生であれば15分or20分程度の勉強→5分休憩)
スモールステップの原理が働くことで学習効果を最大化できる
心理学者のスキナー氏が提唱した「スモールステップの原理」とは、「学習内容を小さな単位に分け、小刻みに学習する」というテクニックです。
まさにポモドーロ・テクニックと同じ効果を狙ったテクニックだと言えます。
これら2つのテクニックは、「集中力が途切れない」というメリットと、「達成感を得られやすい」というメリットを感じることができます。
また、学習内容を小分けにして進められるので、「分からない箇所(不安な箇所)が明確になる」というメリットも得ることができます。
例えば、「15分間勉強したら休憩ができる」という報酬系の効果を得ることもできますし、「15分間で設定しておいた目標を達成できた」という達成感も味わうことができます。
この2つのテクニックを自分の感覚(子供の感覚)に合わせてカスタマイズすると、理想的な学習環境を作ることができるでしょう。
勉強効率も上がり、子供も勉強に対する負担が減る(ように思える)ので、親と子の両方が納得できるルールとなるはずです。
スマホやゲームの使用ルールを決める
子供の勉強にとって最大の敵と言えるのが「スマホやゲーム」です。
冒頭でも挙げましたが、近年ではYouTubeやゲームアプリ、Switchなどのゲーム機など、デジタル系の娯楽が多くなってきています。
さらに、ネット化が進んだことによって、自宅にいながら世界中の人と繋がることができるようになったので、その娯楽性はかなり上がってきています。
この大きな誘惑をいかにコントロールできるかが、学習の効果を上げるための大きなポイントとなるのです。
時間は二段階のルール決めが有効
多くの子供がスマホやゲームなどのデジタル系問題に直面しているため、実際にルールを作って実践しているという家庭も多いでしょう。
しかし、そのルールが完全に機能しているかというと、そうはいかないものです。
なぜならば、時間を決めておいたとしても、YouTubeの動画やゲームの区切りが悪く、「もう少しで終わるの!」「あと少しだけ」と逆切れしてしまいます。
親としてみると、「事前にしっかりと決めておいたルール(本人も納得したルール)なのに」と感情的になってしまいますよね。
多くの家庭でこのやり取りが起こり、関係性が悪くなってしまったりしています。
この場合、親と子の双方で納得した時間ルール自体は問題ありません。
しかし、例え大人であっても途中で娯楽を寸断されてしまっては機嫌が悪くなってしまうはずです。
要するに、例えば決められた時間の10分前に一度子供に知らせる(もしくはタイマーなどを使い自分で10分前を認識できるようにする)ことがポイントとなります。
1時間というルールであれば、50分が経過した時点で親が知らせるか子供自身がタイマーなどで気付くことで、「じゃあこの動画で終わりだな」「キリの良いところでゲームをセーブしよう」と逆算でき、約束の時間が来た時の「あとちょっと」という逆切れを減らすことができるのです。
この「ちょっとしたひと手間」をルールに組み込むだけで、おそらくスマホやゲームに関するルール決めの成功率は大きく変わるはずです。
逆切れせずスマホやゲームを終わらすことができれば、子供も気分よく勉強に集中できるはずです。
場所ニューロンを利用する
勉強に限らず、PC作業などの集中する系の作業は、「場所を変えることで再び集中力を高めることができる」と言われています。
この特徴は、「場所ニューロン」と呼ばれる細胞が関係していると言われています。
場所ニューロンとは、脳の海馬に存在する細胞で、場所を司っています。
ある程度の時間が経過したら場所を変えるという方法を実践するだけで、この場所ニューロンを刺激することができ、海馬が活性化して記憶力が再び向上するのです。
「自分が行ったことがない場所」に移動することでその効果は最大化されますが、例えば「自分の部屋の机」から、「リビングにあるテーブル」に移動するだけでもこの効果をある程度得ることができるのでおすすめです。
まとめ
今回は、「勉強のルール」の中でも「親も子も納得できるルール」について解説してきました。
- ポモドーロ・テクニックをルール化させる
- スマホやゲームの使用ルールを決める
- 場所ニューロンを利用する
どの方法も、親と子供の双方が納得した上で取り決めることがとても重要です。
「なかなか子供が勉強に集中できない」という場合は、ぜひこれらのルール決めを実践してみてはいかがでしょうか?
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