子供の成長には、4つの段階があると言われています。
乳幼児期の第一段階、主に小学校の時期である児童期の第二段階、中学、高校の時期である思春期の第三段階、そして大学生以降の青年期である第四段階と分かれています。
どの段階にも違った難しさがあるものですが、特に親御さんが苦労するのが中学、高校の時期に当たる「第三段階」ではないでしょうか?
大人と子供の狭間であるがゆえに、多感となり勉強に集中できないといったケースに陥りやすいと言えます。
この時期、親としてはどのように対処するのがベストなのでしょうか?
この記事では、そんな「子供にやる気を出させる正しい言葉の掛け方」について解説していきたいと思います。
アドラー心理学における勇気づける言葉
子供にやる気を出させるというのは、どんな親にとっても難しいミッションです。
親が闇雲にやる気を出させようとしても、なかなかうまくはいかないでしょう。
それでは、まず以下の言葉を読んでみてください。
「やる気がなくなった」のではない。
「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。
「変われない」のではない。
「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。
この言葉は、心理学の三大巨匠のひとりであるアルフレッド・アドラーの言葉です。
大人であってもこの言葉にドキッとさせられる人は多いのではないでしょうか?
人は、無意識に現状を変化させたくないと感じる「現状維持バイアス」によって変わることを恐れてしまう傾向にあります。
やる気がなくなる理由や変われない理由を無意識に探し、やらない理由にしてしまっているのです。
中学生、高校生のやる気を失っている子供もこういった心理状態に陥っている可能性は高いはずです。
この事実を親御さんがしっかりと理解した上で、子供に適切な言葉を掛けていかなければいけません。
子供をやる気に導く言葉の掛け方
それでは、現状維持バイアスから脱却させ、子供のやる気に導くための具体的な言葉の掛け方を挙げていきます。
親がこれらを意識して子供に接するだけで、子供の学力が大きく向上することが期待できることでしょう。
現実的に達成可能な小さな目標を気づかせる
子供が勉強を進めていくにあたって、まず目標が設定できていなければならないというのは容易に想像がつきますよね。
勉強に限らず、成果を出すためには目標を立てるということが非常に重要です。
しかし、大きな目標は時に現状維持バイアスの「やらない理由」になってしまうこともあります。
目標までの時間と労力が遠すぎるので、「今はまだやる気にならなくてもいいか」という心理に陥ってしまうのです。(もしくは目標が大きすぎて「どうせ無理だ」と思ってしまう)
親としては、「そんなんじゃ受験受からないわよ」「やる気出しなさい」と言いたくもなってしまいますが、「達成可能な小さな目標」を提示してあげる(気づかせてあげる)言葉を掛けてあげるべきです。
「今日はどんな勉強を進めるの?」と「今日」という時間軸に気が付けせてあげたり、「先を考えないで階段を一歩ずつ上っていくような感覚で考えれば良いんじゃないかな」というように、大きな目標を達成させるためには努力の積み重ねが重要だと伝えてあげるのです。
自己肯定感を高める言葉を掛ける
自己肯定感という言葉は、近年かなり注目されるようになりましたよね。
ありのままの自分を肯定する心である自己肯定感を高めるためには、以下のような言葉掛けのポイントを意識する必要があります。
・ポジティブな内容の言葉を掛ける
・他者と比べるような言葉を使わない
・得意なことを積極的に行わせ自信を付けさせる
・失敗が成功に繋がるということを伝える
これらを日常的に意識していないと、どうしてもネガティブな言葉を掛けてしまったり、他者と比べるような言動を発してしまうものです。
自己肯定感を高めてあげることができれば、必然的にやる気を引き出すことができるはずです。
親の言葉によって「内発的動機づけ」ができればベスト
やる気には、ご褒美などを与える「外発的動機づけ」と自分の内側から湧き上がってくる「内発的動機づけ」の2種類が存在します。
子供の学力を一気に向上させるためには、後者の動機づけが非常に重要なポイントとなります。
前述した子供への言葉の掛け方を意識して自己肯定感を高めることができれば、自然と子供自身の内側からやる気が湧き上がってくるはずです。
外発的動機づけで子供をやる気にさせると、自己肯定感を育てることができませんし、受験成功まで親が積極的に動き続けなければならないので、現実的にかなり厳しいと言えるでしょう。
まとめ
今回は、「子供にやる気を出させる正しい言葉の掛け方」について解説してきました。
・現実的に達成可能な小さな目標を気づかせる
・自己肯定感を高める言葉を掛ける
「最近子供のやる気が低下してきたな」と思ったタイミングで声掛けすることも重要ですが、子供の内側から自然とやる気が湧き上がってくる状態に導く言葉を掛けてあげることができれば、一気に学力は向上するはずです。
ぜひ今日からでも、意識しながら言葉を掛けてみてはいかがでしょうか?
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